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司法業界用語解説 Glossary
弁護士に相談や依頼をする場合に、知っておくと便利な司法の世界の業界用語を、民事関係を中心に解説しています。
一般の方を想定して、弁護士との意思疎通の便宜のためという目的で説明していますので、より精密に理解したい場合には、市販の法律用語辞典などで調べるか、弁護士に相談なさるようお勧めします。
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相手方(あいてがた)
@ 紛争、交渉などの関係者のうち自分と(又は弁護士から見て相談者、依頼者と)権利義務や利害が対立関係にある者のこと。この意味では、原告から見れば被告が相手方で、被告から見れば原告が相手方となる。
A 裁判所での各種手続の当事者のうちその手続の開始を求めた者以外の者のこと。複数名の場合は「相手方ら」と表現する場合もある。訴訟(判決手続)では、この意味での相手方を「被告」(複数名の場合は「被告ら」)と表現するのが通例。申立人(もうしたてにん)の項も参照のこと
 
言渡し(いいわたし)
裁判の項のBを参照のこと。
 
意思(いし)
@ 一般にいう意志のこと。
A 一定の法的効果の発生を欲している意識状態のこと。内心の「効果意思」(こうかいし)ともいう。内心の効果意思を外部に表示する行為を「表示行為」(ひょうじこうい)といい、「表示行為」を行うことを欲している意識状態を「表示意思」(ひょうじいし)という。効果意思、表示行為、表示意思の3つがそろって「意思表示」(いしひょうじ)を構成する。契約は申込の意思表示とそれに対する承諾の意思表示の合致によって成立するなどという様に用いられる。
 
印紙(いんし)
@ 政府が「印紙をもつてする歳入金納付に関する法律」に基づいて発行している収入印紙、自動車重量税印紙、特許印紙、登記印紙などのこと。
A @の意味の印紙のうち特に収入印紙のこと。裁判所で訴えの提起など各種手続の開始を求める場合には、一定の手数料を裁判所に納めなければならないが、その手続の開始を求める書類(訴状など)に手数料分の収入印紙を貼って提出することにより、その手数料を納付することになっている。この取扱いの根拠法令は「民事訴訟費用等に関する法律」であり、手数料の額の算出基準もこの法律で定められている。この手数料を収入印紙以外の印紙(登記印紙など)の貼付によって納付することはできない。弁護士が言う「印紙」は収入印紙の意味であることが多い。
B 印紙のうち特に登記印紙のこと。法務局で登記事項証明書の発行を求める際などには一定の手数料を納めなければならないが、その納付をするために登記事項証明書の交付申請書などに貼る印紙が登記印紙である。この手数料を登記印紙以外の印紙(収入印紙など)の貼付で納付することはできない(但し、法改正により、平成23年4月1日以降は印紙の貼付で納付する場合には収入印紙を用いることになる)。
 
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確定(かくてい)
判決などの裁判がなされた後、一定の期間内に控訴などの通常の不服申立がなされなかったために、通常の不服申立ができなくなったこと。確定後でも、ごく限られた一定の場合には、例外的な不服申立(再審)が認められる場合がある。
 
期日(きじつ)
 裁判官、訴訟当事者などの関係者が集まって裁判所での手続に関連する行為を行うための一定の時間帯のこと。実施される手続の種類に応じて、弁論期日、判決言渡し期日、調停期日などというように用いられることが多い。通常、実施される手続の種類、日付、開始時刻によって特定され、「次回の弁論期日は◎月◎日午後4時から」などと表現される。ある案件に関して裁判所で次に行われる期日を指して「次回期日」と表現する場合がある。期日をいつにするかについては、裁判所側が決定権限を持っており、訴訟当事者など裁判所以外の関係者には決定権限がないが、裁判所は他の関係者の都合を聞いた上で日時を決定するのが通例である。
 
供託(きょうたく)
 金銭、有価証券などを供託所(地方法務局など)へ預けて保管してもらい、他の一定の者がそれを取得することができるようにしておいてもらうこと。その手続や担当供託所などについては、供託法及び供託規則によって一般的な事項が定められている。どのような場合に供託が認められるのか(供託要件)ということについての包括的な定めは、供託法にも供託規則にもなく、いろいろな法令中に供託要件が散らばっている。供託した者以外の者が供託物を受け取る(還付を受ける)には、自らが還付を受ける権利を有していることを証明しなければならない(供託法第8条第1項)。供託をした者は、誤解に基づいて供託したこと又は供託要件該当事実(供託原因)が消滅したことを証明すれば、供託物を取り戻すことができるが(同第8条第2項)、その他、供託要件毎に特別な定めがある場合にはその定めによる。供託がなされた場合にどのような取扱いがなされるか(法的効果)、供託をした者にどのようなメリットがあるかは、供託要件毎に異なる。以下、代表的なタイプを説明する。
例1: 債権者が弁済(べんさい)の受領を拒み又はそれを受領することができないときは、弁済をする権限を有する者(以下「弁済者」)は債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも同様である。これは弁済供託(べんさいきょうたく)と呼ばれており、民法494条に定められている。このタイプの供託では、債務を免れるというのが供託を行う側のメリットである。債権者が供託を受託せず又は供託を有効とする判決が確定しない間は、弁済者は供託物を取り戻すことができるのが原則である(同第496条、供託法第8条第2項)。
例2: 仮差押命令、仮処分命令を裁判所が認める場合には、申立人側に予め担保を立てさせ又は一定期間内に担保を立てることを当該命令執行の条件として当該命令を発することが多い(民事保全法第14条)。この担保を立てる場合には、所定の供託所に金銭又は一定の有価証券を供託することによって行うことができる(同法第4条第1項)。裁判所から一定額の担保を立てるよう命じられて行う供託なので、裁判上の担保供託と呼ばれるタイプの一種である。ここでは仮差押、仮処分によって相手方に生じるかもしれない損害の賠償の実効性を確保するための供託なので、当該相手方には、当該損害の賠償に関し、供託された金銭又は有価証券から優先的に弁済を受ける権利が認められる(同第4条第2項、民事訴訟法第77条)。
例3: 特定の事業を規制する法律によって、その事業の事業主に一定の金銭又は有価証券の供託が義務づけられている場合がある。その事業の顧客などが被った損害の賠償の実効性を確保するためのもので、営業保証供託と呼ばれる。旅行業法、宅建業法、資金決済法、信託業法、保険業法、金融商品取引法、割賦販売法など、このタイプの供託を要求する法令は多い。これらの根拠法令(及び関連する政省令)では、当該供託がなされていることを許認可の要件としていることが多く、さらに供託された金銭などから顧客などが優先的に弁済を受ける権利を認めて、供託された金銭などの還付を受ける手続についての特則も定めていることが多い。詳細は各根拠法令の定めるところによる。
 
係属部(けいぞくぶ)
裁判所(さいばんしょ)の項のBを参照のこと。
 
契約(けいやく)
約束、合意のこと。口頭による約束、書面による合意、電子データの交換による約束なども契約たり得る。「契約書」というタイトルのある書面に書かれた内容で内諾に至っている関係者がその書面に署名押印(又は記名押印)した場合は、勿論、契約が成立したことになるが、書面のタイトルは「合意書」、「覚書」、「確認書」、「示談書」などであっても契約として成立し得る。一方的に言ったきりでは、通常は、約束、合意にはならない。約束、合意として成立していると認めてもらうには、承諾(の意思表示)が返ってきたこと又は承諾したことを前提にしていると推測される行為を行ったことが必要であり、承諾があったことを否定されれば、承諾があったことを主張する側でそれを立証しなければならない。口頭契約(口約束)の場合には、その契約が成立したことやその契約の内容を立証するのが難しく、結果的に裁判で認めてもらうのは大変になる。なお、契約の成立と契約の法的有効性は別の問題で、契約として成立していること(約束、合意がなされたこと)は認められても、その契約の内容の実現に法制度が協力してくれない(無効な契約である)場合もある。
 
決定(けってい)
裁判の項のBを参照のこと。
 
公正証書(こうせいしょうしょ)
 公証人(こうしょうにん)が、当事者その他の関係人から依頼(嘱託)を受けて、法律行為その他私権に関する事実について、聴取した内容又は目撃した状況その他自ら実験した事実を記載した書面のこと(公証人法第1条第1号、第35条)。債務弁済公正証書、遺言公正証書、事実実験公正証書など。作成してもらうには、所定の公証人手数料が必要である(同第7条)。
 公証人は、一定の資格要件の下に法務大臣によって任命され、法務局又は地方法務局に所属して、公正証書の作成の他、私人が作成した書面の認証、会社定款の認証などを行う(同第1条、第10条、第11条)。公証人が職務を行う事務所を公証人役場又は公証役場(こうしょうやくば)と呼ぶ。
 公証人が関係人から聴取する(例えば遺言者から遺言内容を話してもらうなど)に当たって一定の本人確認作業が行われること、原本を公証人が保管し、正本・謄本(コピーの一種)を関係人に交付してくれることから(同第28条、第47条、第51条)、ある一時点における当該関係人の真意がどのようなものであったのか、後に立証する際に役立つ。また、遺言が公正証書によってなされた場合には、裁判所による遺言書の確認・保全の手続(検認)が不要になる(民法第1004条第2項)。さらに、公正証書が金銭の一定額の支払(又はその他の代替物若しくは有価証券の一定数量の給付)を内容としていて、その支払などについての債務者が直ちに強制執行に服する旨陳述したことが記載されている場合には、その債務について改めて判決を得なくても、その公正証書を活用してその債務について強制執行の申立をすることができるというメリットもある(民事執行法第22条第5号)。
 より詳細に知りたい場合は、日本公証人連合会のホームページhttp://www.koshonin.gr.jpを参照のこと。
 
公示送達(こうじそうたつ)
送達(そうたつ)の項を参照のこと。
 
口頭弁論(こうとうべんろん)
 一般に公開された法廷において、裁判官の面前で、当事者が主張を口頭で述べたり、証拠の提出をしたりする裁判手続又は審理方式のこと。判決をするには必ず口頭弁論を経なければならないが、決定で完結する事件について口頭弁論を行うか否かは原則として裁判所の裁量による(民事訴訟法第87条第1項)。口頭弁論を行わない場合において、裁判所が一般に公開された法廷以外の場所で、当事者の主張を聞いたり、証人の証言を聞いたりするための手続が審尋(しんじん)と呼ばれている(同第87条第2項)。仮差押命令や仮処分命令を求める申立、自己破産申立などを行うと、申立人側と裁判官との面接がなされることが多いが、この面接も審尋の一種である。
 
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債権者(さいけんしゃ)
@ 債権を有している者のこと。ここで債権というのは、特定の者に対して成立する権利のことで、例えば、商品を販売した会社は買主に対して代金債権を有する債権者であり、お金を貸した人は借りた人に対して貸金債権を有する債権者であり、マンションの賃貸人は賃借人に対して賃料債権を有する債権者である。
A 裁判所の保全手続、強制執行手続などでの申立人のこと。
 
裁判(さいばん)
@ 裁判所での手続一般のこと
A (調停手続や保全手続と区別して)訴訟又は判決手続のこと。
B 裁判所又は裁判官が行う判断行為一般のこと。判断プロセスで区別すると、原則として口頭弁論という慎重厳格な手続を経て行う必要がある裁判を判決と呼び、判決をするには原則として判決書の原本に基づいて判断の結論部分(主文:しゅぶん)を朗読すること(言渡し:いいわたし)が必要である。紛争について終局的な判断を示す場合など重要な事項を判断対象とする。他方、口頭弁論を経る必要が原則的になく、簡易迅速になされる裁判を決定又は命令と呼び、言渡しは不要である。訴訟運営上の措置や付随的な事項が判断対象となっていることが多いが、破産手続や民事再生手続の開始、知的財産権に基づく差止の仮処分なども決定という形式で判断が示されるので、判断対象の重要度の相違に着目した説明は絶対的なものではない。判断主体で区別すると、判決と決定は裁判所としての判断であり、命令は裁判官としての判断である。
 
裁判所(さいばんしょ)
@ (国会、行政機関と区別する意味での)官庁としての裁判所のこと。裁判官、裁判所書記官などの裁判所職員と裁判所庁舎の双方を包含する概念である。日本には、最高裁判所が1つ、高等裁判所が8つ、地方裁判所及び家庭裁判所が各50、簡易裁判所が438あり、各都道府県に所在する地方裁判所及び家庭裁判所は、それぞれ、当該都道府県内にいくつかの支部を有していることが多い(裁判所法第1条、第2条、第31条、第31条の5、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律)。高等裁判所も管轄地域内に支部を有している場合がある(裁判所法第22条)。なお、知的財産高等裁判所は、東京高等裁判所の特別の支部という位置づけになっている(知的財産高等裁判所設置法第2条)。
より詳しく知りたい場合は裁判所のホームページhttp://www.courts.go.jpを参照のこと。
A 裁判所の庁舎(建物とその敷地)のこと。
B 判断行為としての裁判を行う機関のこと。複数の裁判官によって構成される合議体が裁判機関になっている場合と単独の裁判官が裁判機関になっている場合とがある。合議体の場合は裁判体(さいばんたい)と呼ぶ場合もある。特定の案件(事件)を担当している裁判機関が@の意味の裁判所(例えば東京地方裁判所)の中で所属している部署(例えば民事第16部)をその事件の係属部(けいぞくぶ)と呼ぶことが多い。
 
債務者(さいむしゃ)
@ (特定の者に対する)義務を負担している者のこと。
A 裁判所の保全手続、強制執行手続などの当事者のうち当該手続を起こされた側の者のこと。
 
事件(じけん)
@紛争一般、A誰かと誰かの間の具体的な権利義務を巡る紛争、B犯罪、C弁護士が引き受けている案件、D裁判所などの手続の対象になっている案件、などいろいろな意味合いがある。弁護士はC又はDの意味で用いる場合が多いが、あくまで文脈に応じて理解する必要がある。
 
事件番号(じけんばんごう)
裁判所が受け付けた案件について各裁判所毎に付す整理番号のようなもの。受付年(元号による。)、案件の種類・類型を示す記号、第◎◎◎◎◎号(◎は算用数字)という形式の番号によって特定され、例えば、平成21年(ワ)第◎◎◎◎◎号などと表記される。
 
司法修習(しほうしゅうしゅう)
司法試験合格者が履修する研修のことで、詳細は最高裁判所が定めるところによるものとされ(裁判所法第66条)、()司法研修所における研修と()裁判所、検察庁及び弁護士会・弁護士事務所におけるOJTからなる。この研修を履修中の者は司法修習生(しほうしゅうしゅうせい)と呼ばれる。弁護士となる資格を得るにはこの研修を終えることが原則として必要である(弁護士法第4条)。このような研修制度が始まった初年度(1947年)を司法修習第1期と呼び、以後、毎年度毎に司法修習期の期数が増加する。司法修習期の数字が若ければ(小さければ)、それだけ早い時期に司法修習を開始したことになるので、法律家としてのキャリアの長さについての一応の目安にはなる。
 
書面(しょめん)
文字、記号、図などが記載された紙のこと。一般に言う文書、書類とほぼ同じ意味だが、「書面」という場合には、電子データファイルを含まない意味合いで用いられる場合がある。
 
受任(じゅにん)
弁護士が仕事を引き受けること。交渉や裁判所の手続での代理を引き受ける場合を指して用いられることが多いが、契約書作成や意見書の提出を引き受けることも受任である。しかし、弁護士が法律相談に応じることは含まない意味合いで用いられることが多い。なお、引き受けた仕事の関係者に対して、受任した旨を弁護士から郵便等によって通知すること又はそのような通知に用いられる弁護士名義の書面のことを、受任通知(じゅにんつうち)と呼ぶことが多い。
 
準備書面(じゅんびしょめん)
 裁判所の手続で当事者が主張したい事柄が記載された裁判所宛の書面のこと。被告が裁判所に提出する最初の準備書面は特に答弁書(とうべんしょ)と呼ばれている。民事裁判では、口頭で述べられた事柄だけが判決の基礎になるのが原則とされているが、口頭で述べると不正確になってしまうこともあるし、いきなり口頭で言われても内容を理解するのが難しいなどの不都合があるため、主張したい事柄を予め書面に記載して裁判所に提出することで、口頭による主張を準備しておくというのが由来の様である。
  裁判所への準備書面の提出方法は、かつては郵送又は手渡しであったが、現在では一定の条件の下にFAX送信が認められている。裁判所宛の書面ではあるが、相手方にも同じ内容の書面(副本)を直接送付すること(直送)になっていて、これについてもFAX送信によることが認められている。裁判所で裁判官から「準備書面のとおり陳述ということでいいですね」などと尋ねられて、その準備書面を提出した当事者側が「結構です」、「はい」などと応じると、その準備書面に記載された内容の全てをその当事者側が口頭で述べたとして扱うのが通例である。
 
審尋(しんじん)
口頭弁論(こうとうべんろん)の項を参照のこと。
 
送達(そうたつ)
 裁判に関連した書類を裁判所から法の定める一定の方法によって関係者に届けること(又は実際に届けた場合と同様に扱うこと)。郵便によって送付するのが通常の送達方法であり(民事訴訟法第99条)、その場合、郵便局の職員が当該文書が入った封書を届けて受領されたことによって送達がなされたことになる(同101条)。郵便局から報告書が裁判所に提出される(同第109条)。当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が分からないなど一定の場合には、送達すべき書類を裁判所書記官が保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付する旨を裁判所の掲示板に掲示することができ、この扱いを公示送達(こうじそうたつ)と呼ぶ(同第110条、第111条)。原則として掲示を始めた日から2週間が経過したときは、その書類が実際に届けられた場合と同様に取り扱われることになる(同第112条)。
 訴状は裁判所から被告に送達される必要がある。訴状が被告に送達がされて初めて、当該訴状に記載されている案件(事件)が判決手続に乗って審理されている状態(訴訟係属:そしょうけいぞく)が生じる。
 
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代理(だいり)
@ 他人の事務・仕事を代行処理すること。
A Aさんが行った行為によって他人であるBさんが法的に拘束されること(ある人が行った行為の法的効果が他人に及ぶこと)。Aの用例では、AさんがBさんの代理人としてCさんとの間で契約を締結すると(例えば、プラズマテレビの購入)、契約当事者はBさんとCさんで、その契約に法的に拘束されるのはBさんとCさんだけ(プラズマテレビの代金の支払義務はBさんが負い、Aさんは負わない)ということになる。Aさんの立場にある者を代理人(だいりにん)、Bさんの立場にある者を本人(ほんにん)という。このような拘束が認められるには、原則として、Aさんがそのような拘束をBさんにもたらす権限(代理権)を有していることが必要である。代理人と名乗る者が本当に代理権を有しているか否かは、第三者からははっきりしないので、特定の者を代理人と定めてその者に一定の代理権を授与する場合には、その旨を記載した書面(委任状)を作成し交付するのが無難であるし、交渉や各種手続での代理では代理権の授与を書面で明らかにしなければならない場合が多い。訴訟手続の当事者から依頼を受けてその訴訟手続でその当事者を代理する者を訴訟代理人(そしょうだいりにん)と呼ぶが、単に代理人と呼ぶ場合もある。
 
調書(ちょうしょ)
 裁判所側で作成した裁判手続に関する記録書類のこと。実際の書類作成作業は裁判所書記官が担当して、自ら記名押印し、それに裁判官が認印をする(裁判所法第60条、民事訴訟法第160条、民事訴訟規則第66条第2項)。手続の種類毎に、且つ各期日毎に作成され、例えば、第1回口頭弁論調書、第3回弁論準備手続調書、和解調書(→和解の項のAを参照のこと。)などと呼ばれることになる。調書の閲覧、謄写が一定の要件・手続の下に認められている。
 
陳述(ちんじゅつ)
意見、事実などを述べること。特に口頭で述べることを意味する場合もある(訴状、答弁書などの陳述)。
 
陳述書(ちんじゅつしょ)
証言しようとする内容や当事者本人尋問で話そうとする内容を予め記載した書面のこと。証言の内容や当事者本人尋問での供述の内容とは別の証拠として扱われる。
 
当事者(とうじしゃ)
@契約を締結し、その契約の効力を受ける者、又はAある一定の権利義務の帰属者(権利の保有者又はそれに対応する義務の負担者)を指すが、B裁判所の手続においては、その手続の対象になっている権利義務の帰属者(とされる者)、又はその手続の開始を求めた者(原告、申立人など)とその手続での相手方(被告など)とされた者を指す場合が多い。@の用例では「契約当事者」、Aの用例では「訴訟当事者」などという用い方をすることもある。なお、当事者以外の者を広く第三者(だいさんしゃ)と呼ぶ場合がある。
 
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内容証明郵便(ないようしょうめいゆうびん)
誰が誰にいつどのような内容の文書を発送したのかを郵便局が証明してくれる郵便のこと。郵便局によって郵便物が配達されたこと(受け取られたこと)の証明もしてくれる場合を指して単に「内容証明郵便」と呼ぶことも多い。解除通知、遺留分減殺通知など一定の内容の文書が宛先に到達したことの証拠を確保したい場合などに便利である。発送された文書の記載内容が真実であることを郵便局が証明してくれる訳ではない。文書の各ページの行数と各行の文字数に制限があるが、インターネットを通じたオンライン申込による場合には取扱いが異なる。
 
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判決(はんけつ)
裁判の項のBを参照のこと。
 
被告(ひこく)
裁判所の判決手続で訴えを起こされた側の当事者のこと。よく似た用語で「被告人」(ひこくにん)という用語があるが、「被告人」は犯罪の嫌疑をかけられて起訴され、刑事事件で裁かれる立場にある者を指し、民事裁判での「被告」とは別の概念である。マスコミ用語では「被告人」のことも「被告」と略してしまうことが多いが、法的には不正確な表現である。
 
弁護士会(べんごしかい)
@ 弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする団体で、法人格を有し、各都道府県内に原則として1つ(東京都内には3つ)設立されている(弁護士法第31条、第32条)。構成員(会員)は、その所在地である都道府県内に事務所を有する弁護士及び弁護士法人である(同第20条、第36条、第36条の2)。Aの意味と区別するために単位会(たんいかい)と呼ぶ場合もある。より詳しく知りたい場合は、例えば、以下を参照のこと。
東京弁護士会のホームページhttp://www.toben.or.jp
A 日本弁護士連合会のこと。日弁連(にちべんれん)と略すことが多い。弁護士、弁護士法人及び単位会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする団体で、法人格を有し、国内に1つ(所在は東京都内)設立されている(同第45条)。会員は、全国の弁護士、弁護士法人及び単位会である(同第47条)。より詳しく知りたい場合は、以下を参照のこと。
日本弁護士連合会のホームページhttp://www.nichibenren.or.jp
 
弁護士登録番号(べんごしとうろくばんごう)
日本弁護士会連合会に備えられた弁護士名簿への登録の順番を示す番号のこと。単に登録番号と呼ぶ場合もある。弁護士となるには、この名簿に登録される必要があるので(弁護士法第8条)、弁護士登録番号は個々の弁護士を特定するための識別番号として機能する。
 
弁論準備手続(べんろんじゅんびてつづき)
裁判所が争点及び証拠の整理をするために行われる手続のこと(民事訴訟法第168条)。当事者双方が立ち会うことができるが、口頭弁論と異なり一般公開の保障はない(同第169条)。このため、法廷(ここでは傍聴席、裁判官用のひな壇などのある部屋を指す。以下この項目において同じ。)ではなく、裁判所内の会議室仕様の部屋(ラウンドテーブル法廷、弁論準備手続室など)で実施されるのが通例である。法廷での口頭弁論の場合よりも1期日に多くの時間をかけることが多い。
 
法律事務所(ほうりつじむしょ)
弁護士の事務所のこと(弁護士法第20条第1項)。個人事業主である弁護士の屋号として法律事務所の名称が機能することもあるが(「北青山法律事務所」もその例である。)、「法律事務所」という概念は基本的には場所、事業場に着目したものである。「法律事務所」は、現状では、個人事業者としての弁護士によって運営されているものの方が多い。弁護士業務を行うことを目的とする法人(弁護士法人)の設立が一定の条件で認められているが(同第30条の2以下)、弁護士法人の所属弁護士が弁護士業務を行う事務所も「法律事務所」である。弁護士でも弁護士法人でもない者が「法律事務所」という標示又は記載をすることは禁止されている(同第74条第2項)。
 
法令(ほうれい)
法規範(国家により強制されるルール又は国家によって定められたルール)一般のこと。制定手続、名称を問わない。国会が制定した法律(狭い意味の「法律」)、内閣が制定した政令、各大臣が制定した省令、地方公共団体の条例なども法令に含まれる。なお、「法律」という用語が、法令と同じ意味で用いられる場合もある。
 
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申立(もうしたて)
裁判所側に対して一定の対応を要求すること。狭い意味では裁判所側が何らかの対応をする義務がある場合のみを指すが(仮差押命令申立、破産手続開始申立、調停申立など)、そのような義務を裁判所側が負わない場合についても用いられる場合がある。訴えの提起も申立の一種である。マスコミ用語で「民事再生法の適用を申請した」などと表現する場合があるが、「民事再生手続開始の申立を行った」と表現するのが正確。
 
申立人(もうしたてにん)
狭い意味での申立を行った者のこと。訴訟(判決手続)の申立人のことは、通常、「原告」と呼ばれる。相手方(あいてがた)の項も参照のこと。
 
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予納金(よのうきん)
裁判所で各種手続(訴えの提起など)を受け付けてもらう際に当事者から裁判所に納付する金銭のことで、手続に必要な費用に充ててもらうために予め納める金銭という意味合いである。例えば、)遺留分減殺請求権の行使を前提とする不動産所有名義の移転登記手続を求める訴訟でその不動産の評価額が争点になり、裁判所に不動産鑑定の実施を求める場合には、不動産鑑定の費用を納付する必要がある。)個人の自己破産・免責の申立では、破産管財人が選任される場合には、官報公告費用と破産管財人の最低報酬相当額の合計額を破産予納金として納付する必要がある。)不動産強制競売の申立では、対象不動産の占有状態調査、不動産鑑定などの費用として、競売で回収しようとしている債権の額に応じ600,000円から2,000,000円の範囲(東京地裁の例)の民事執行予納金を納付する必要がある。)遺産は残されたが相続人はいないという場合には、相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申立てる必要があるが、その申立の際に、相続財産管理人の最低報酬相当額の予納金の納付を求められる場合がある。
 
予納郵券(よのうゆうけん)
裁判所で各種手続(訴えの提起など)を受け付けてもらう際に当事者から裁判所に提出する郵便切手のこと。裁判所から当該手続の関係者に書類を郵送する際に使用されるので、未使用の郵便切手を提出する。手続終了までに提出すべき郵便切手の種類と枚数は、手続の種類、当該手続の関係者の人数、書類郵送の回数などによって異なる。訴え提起など各種手続の受付をしてもらう際には、裁判所が定めている基準により概算で提出し、手続進行中に不足となれば追加提出を求められ、手続終了時に余りがあれば返還される。
 
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和解(わかい)
@ 和解契約(=紛争の当事者がお互いに譲歩をしてその紛争を解決することを内容とする契約:民法第695条)のこと。当事者間で合意が成立することによって契約としての効力が生じ、裁判所の関与は必要でない。示談とほぼ同義。和解契約の内容をいきなり強制執行手続によって実現することは、原則として認められない。
A 訴訟上の和解のこと。既に裁判手続が開始されている紛争の当事者がその手続の進行途中でお互いに譲歩をしてその紛争を解決することに合意し、裁判所がその合意内容を調書に記載することによって、その手続が判決等をすることなく終了することを指す。裁判所側が合意形成に向けた斡旋を行ってくれることもある。当事者の署名押印(又は記名押印)は不要である。訴訟上の和解自体についての上訴は認められないので、紛争の早期解決に役立つ。訴訟上の和解として調書に記載されると、その記載には確定判決と同一の効力が認められているので(民事訴訟法第267条)、訴訟上の和解の内容の実現のために(改めて判決を得ることなく)強制執行手続を行うことができる。訴訟上の和解は判決手続だけでなく、保全手続においても認められる。
B 訴え提起前の和解(即決和解と呼ばれることもある)のこと。ある紛争について訴えの提起をする前に(あるいは訴えの提起をしないで)その紛争の当事者の一方が簡易裁判所にいきなり和解の申立を行い(民事訴訟法第275条)、裁判所の期日において両当事者がお互いに譲歩をしてその紛争を解決する合意に至り、裁判所がその合意内容を調書に記載することを指す。この記載にも確定判決と同一の効力が認められている。訴え提起前の和解では、実際には、申立前に既に両当事者間で内諾に至っている場合がほとんどであり、裁判所側は合意形成に向けた斡旋を行わないので、争いが継続している場合には、実際上、活用が難しい。
 
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ご相談・ご依頼の流れ
法律相談申込から
業務終了まで
契約書案などの作成を
受任する場合
訴訟手続(第1審)での
代理を受任する場合
自己破産・免責申立の
代理を受任する場合
離婚紛争で代理を
受任する場合

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北青山法律事務所
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